夏休みに行われる教育実習も無事に終了した。
とは言っても、新課程ができてから夏休み期間に行われる美術科の実習生はめっきり数が減ってしまった。とりわけ今年は極端だった。市内にお願いしたのはわずか3名だった。
新課程学生は原則出身校実習だから、地元に戻っての実習、しかも5月や6月あたりに行うケースが多い。
「実習は、いつ行くの?」
「もう終わりましたヨ」
うっかりしていると、実習が終わっていたりする。
ところで、驚いたことに今年はわずか3名の実習生というのに、そのうちの一名がどうしても釧路市内に受け入れ先が見つからなかったのだ。困り果てて、以前附属で教えていた○○先生に頼み込み、やっと受け入れてもらった。つまり、それほど美術科教員自体が学校現場から減少しているということなのか?
このところ、私は学校現場へ出向く機会がめっきり減ってしまった。教育実習の引渡しの挨拶や研究授業でもなければ行く機会はなくなった。
1年ぶりに市内の中学校へ出かけて驚いた
職員玄関を開けようとしたのだが、がっちり閉まっていて開かないではないか。見回すと張り紙があり、来校者は脇のインターホンで呼びかけろと書いてある。
「アノ、教育大から…」
「ドウゾ、カシャ」
一声と同時に、ドアロックが解除された。
いつの間にこんな設備がついたのかとたずねたところ、
この1年間で市内の小中学校の全てにドアロックが整備されたのだそうな。
私は、かつて高校に勤務していたころ、たまに寝坊して遅刻したこともあったけれど、こんな設備があったら、うっかり遅刻もできやしない。
せちがらい世の中になりましたね。
▼NAVI初体験
3月末、2週間ほど愛知の実家で済ませなくちゃならない用事ができた。そのために先月のCOLUMNはお休みしてしまいました。
愛知といえば、昨年の万博や中日のリーグ優勝。そして、ト○タ自動車のおかげで、いまや景気が絶好調と言われている。
「景気イイんだってネ」
向こうで聞いてみたら意外な答えが返ってきた。
「ト○タ近辺だけネ」
それ以外は、愛知といえどもあんまり景気回復してないのだそうな。ともかく、愛知の私の実家などは山間部を控えた田園地帯だから、けっこう交通が不便だ。だから、今回は効率良く動き回るためにレンタカーを借りた。内地の道路を運転するのは本当に久しぶりだった。
道は狭いわ車は多いわで、少しの距離を走るのにも時間ばかりかかってしまった。
そんな中で、大感激したのがNAVIの威力だった。
私は普段は車を通勤に使うぐらいだし、北海道にいたりすると、道路事情も単純だから、
「NAVIなんかいらないヨ」って思っていた。
ところがどっこい、人と車と自転車と電柱とが、網の目のような細い道路に入り混じっている、愛知のような道路では、驚くほど威力を発揮してくれた。
地図が表示されるばかりか、「何百メーター先をヒダリデス」とか、次々にしゃべって教えてくれる。どの車線を走ればよいかも表示してくれる。
「オオッツ!!これは便利なものだな」
なるほど、パソコンを積んでるようなものだから、十数万円するのもしかたないか、とも思えた。
用事を終えて、レンタカーを返し、ふと我に返ってみると、何か自分で運転していた実感が無い。
そういえば、面白がって運転していたものの、自分の頭はちっとも使っていなかったことに気がついた。
「…フム…、これはよくないことなんだろうな」
私は、地下鉄から地上に出たときには必ず反方向に進んでしまうぐらい、方向感覚に自信がない人間なんだけれど、NAVIなんかに頼ってしまったら、それこそ歩くことにすら自信が持てなくなってしまうのではないかと、怖くなってしまった。
あえて便利なものも遠ざけるようにしていくことも必要だろう。
「やっぱりNAVIなんか要らない」
そう考えた。