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   コラム更新日2007/10/1

2007年 今月のコラム 

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NEWアトリエ構築大作戦

まあ、
「大作戦」というような、大げさなものじゃないのですが、
上の写真のように、岩見沢校の私の研究室の真下に、学生用の演習室らしきものができつつあります。
「できつつ」と表現したのは、学生用の演習室だから、10月以降に、所属学生の手によって作り上げてほしいと思っているので、「まだ構築途中」って意味なのです。
             
上の写真は、3枚の写真を合成したパノラマだから、ちょっとわかりにくいと思うので説明しますね。
この実習室は全体では60畳近いのでしょうか。けっこうな広さがあります。今回はそのうちの3分の一を棚で仕切りました。ここは当分のあいだ、「油彩第二」と「デザイン」の2種類の専攻の授業および学生控え室として使用されます。
棚で仕切った左側が、「油彩第二」を専攻する3名の学生用のスペース、窓に向かった右側が「デザイン」学生のそれです。デザイン学生は14名ぐらいいるのですね。
去る9月10~12日にかけて、学生に手伝ってもらいつつ、とりあえずここまで設置しました。
それ以来2週間経っているのですが、夏休み期間だからでしょうか、3名の学生はまだこのスペースを使用してくれていないので、私が仮セッティングしたままの状態が続いています。
しかしながら、私にとってはこの作業はエポックメーキングな出来事でもありますから、今月のコラムで、その作業ぶりをご紹介したいと思います。

まず、スティール棚を組み立てる

階段上から撮影したもの。
スティール棚を組み立てている図です。
写真の中程上部に黒円が見えるでしょうが、これは人です。所属学生のマッチーと言いまして今回の設営ではほとんど一人で黙々と作業してくれました。

棚を4本組み立てた

この棚は、以前は阿寒の私の家の物置にあったものです。8月に阿寒の家へ草刈りに出向いた折りに、汗をかきながら私一人で分解しました。このタイプの棚はすごく多くのビスを使って固定する仕組みだから、分解するのにはとても苦労しました。1本分解するのに、約1時間かかりましたから、4本で4時間以上かかったわけです。そして、それを再度また、1時間かけて組み立て直しているわけです。
かつて、シベリアに送られた旧日本兵が右から左へ煉瓦を運ばされ、運び終わったと思ったら、また左から右へ戻せと言われ、それを繰り返させられたから発狂者が幾人も出たという。
そんな強制労働の感もしなくはなかったのだが、研究費も少ないことから、我慢して作業したわけです。

ポイントはこの板です!!

さて、4本並べられたスティール棚にもたせかけてある、白っぽい板、これはハニカムボードっていう仕切り用ボードです。薄目の鉄板に波型の段ボールをサンドイッチにしたもので、いいかげんな素材の割には重くてしっかりした板なんです。
これは、以前ファクトリーを仕切るために使われていたもので、使用後は倉庫に積み重ねられていました。そのうちに処分するしろものだから使っても構わないということだったので、それじゃということで、いただいたわけです。

仕切り壁ができた

ボードはけっこうな重量があるから、しっかり固定しないと倒れたら怪我人が出てしまいます。いかにボードを安定して固定するのかが問題でした。
スティール棚のビス止め穴を活用し、木ねじをネジ込むことでハニカムボードを強引に固定することができた。

しきり完成
仕切り兼、棚ができた。
このスペースは、1年間は学生控え室として使いますが、そのうちには、学生の作品も溜まってくるでしょうから、奥側は倉庫専用にするつもりです。

ちょっと日陰っぽいですが
窓側三分の2は、デザインの仮住まいに譲ってあります。なにせ、デザイン専攻は希望者が多くて14名もいますから、当分、油2専攻3人は、日陰に生息するのです。
あとは、この手前に180センチ幅のホワイトボードを置き、目隠しとします。ホワイトボードは、現在注文中です。

廊下側です
冷蔵庫を新調しました。これはなんと生協購買価格
19.800円というしろものです。この値段はヨドバシカメラの24.500円より5千円も安いという破格の値段だった。
電子レンジとPC1台、それからラジカセは私のお古ですが、使ってもらおうと思って置いてあります。
私の夏の作業はここまでです。
20数年前、釧路に赴任した当時のアトリエにいた学生たちは、一人2メーター四方のスペースを持っていました。彼らはいつもそこに居て、いつも制作していました。(3割ぐらいの人は遊び人で制作なんかしなかったが)
再度そうした、学生個人専用スペースを作りたいと思っています。

第2回芸術セミナー(9月22日)

6月の第1回は「素描」だった。今回の第2回目は、「着彩(水彩)」「立体(粘土)」「平面構成」の3択です。
写真は、まずは着彩から。
今年の参加者数は40名だった。


5時間だから、そんなに複雑なモティーフはくめない。でも360度どこからでも描けるようにしてるから、どうしてもモノが多めに配置されます。

最後に講評会。まだ皆さん要領が悪いから、描くスピードが遅い。10時間ぐらい掛けないと塗り終わらない人が、3分の1いた。これでは入試では問題外だ。6時間以内でとりあえずキッチリ塗れないことにはネ。

構成
立体

今年の立体の参加者は8名だった。
この写真は、はじめにアイディアスケッチをしているところ。
入試実技の際の立体のポイントは、粘土が土粘土だったことですね。油土だと、堅めだから作りやすいのだが、生の土粘土はふにゃふにゃ動いてしまうから、なかなか型がきまらない。
課題は、簡単な幾何的図形を組み合わせなんだが、皆さんなかなかてこずっていた。

構成の課題です
平面構成の課題は、「ランプと軍手」
平面構成なんて、パターンの組み合わせんなんだから、見本をたくさん見て数をこなせば、なんとかなるしろものだと思うのだが、それがどうもネ…。


とにかく遅い
着彩、立体以上に、構成の作業ペースは極端に遅い。要領が悪い。これは昨年のセミナーでも同様だった。
入試では、数学は計算力の速さがキー、英語も国語も速読力がポイントだ。
美術の実技も、スピードが最重要。塗り終わらなかったらそれだけでアウトだって考えてほしいですね。

5時間かけてもこれだもの
構成の参加者は7名と少なかった。
塗り残された白が目立っているね。全般的にトレーニング不足ですね。

楕円テーブルを組み立てました。
さて、左写真をごらんあれ。
テーブルの丸さが美しいですね。
この大ワークテーブルは、NEW研究室にぴったりのサイズでした。やっとテーブルにとって本領発揮の職場を迎えたようです。
釧路校のアトリエで分解するのに、それはそれは、てこずったけれども、こちらでの組み立てはスムーズだった。
8名ぐらいまでなら、余裕でここで授業ができます。
この部屋には、本は全く置いてない。そして、日々使用しない物品は、スクリーン裏を倉庫として隠してある。
快適空間が出来上がりました。
めでたしめでたしですね。

秋」です。
9月下旬になったある日、とつぜん秋がやってきた。
昨日まで、半そで
外歩きしてたものが、翌日から夕方になるとコートでもほしくなるほどの涼しさだ。
釧路に比べるとずいぶん暖かいから油断していたのだが、
やはりここは北海道だ。ご用心ごようじんだな。

札幌の秋は、北大構内の銀杏並木が美しいらしい。黄色に埋め尽くされた、紅葉の写真を撮るのが楽しみです。
では、また。

次回のコラムでは、NEW室生3名を紹介しますね。
お楽しみに。