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          コラム更新日2007/4/26

2007年 今月のコラム 

        5月特大号 (写真は全日空Hからの眺め)  


新たな土地で始まった新たな生活 

4月5日、岩見沢校新入生ガイダンスに出向いた。
とりあえず、事務室に顔を出すと、なんと事務官からこんな苦情をいわれた。
「先生、昨日は転任者の辞令交付と教授会だったのですが、どうしたんですか?
「え?… 教授会?」
メールで案内があったはずですよ。釧路校から異動した他の先生は出てましたよ」
「そんなの知らないよ! メールなんかなかったよ」
「副学長も、新井さんどうしたのかな、遠いから来られなかったのかなって言ってましたよ」
 … まあ、そういった感じで、クドクドと文句を言われてしまった。
そんなやりとりを事務官と交わしているところへ、副学長がやってきた。
「ヤア、ちょうど良かった。辞令をいま渡しちゃいましょう」
ということになったのだが、ウーン… 何か後味がわるい出だしであった。
最近はほとんどの連絡にメールが使われる。メールは毎日30通以上来るから、こまめにチェックしないと、大事な連絡もメール洪水の中に埋もれてしまう。
今回の件は、さかのぼって確認してみたが、そのような事務連絡メールはどこにも見あたらなったのだが…。

阿寒から札幌へ、三月下旬の自宅の引越し後は、マンションの片づけにはじまり、住民票の移動や免許証の裏書き、郵便局・銀行・カード・通帳・証書の住所変更など、あちらこちらへ出向いての手続きに明け暮れた。
その後、四月になってからは岩見沢校新入生ガイダンス、研究室の新規割り当て、そして釧路校への出張授業、岩見沢校での二年生の授業開始と、この一ヶ月間はみじかい期間にいろいろなことがあった。
今回は、それらをダイジェストで紹介してみたい。


新入生ガイダンス音楽・美術・芸術文化コース)

岩見沢校には二つの階段教室がある。
200名の新入生は、スポーツ課程と芸術課程とが別教室に分かれてガイダンスが行われた。写真は芸術課程のもの。ここには音楽コース・美術コースそして芸術文化コースの、3つのコースの学生がいる。
近頃は、5分校ともに女子学生が増加しているのだが、岩見沢校の芸術課程の場合は、8割五分が女子学生だ。もともと女の子の方がにぎやかだから、通常は男と女の比率が2対1ぐらいがバランスが良いと言われる。
だが、これほどまで女子学生の方が多いと、男子学生の存在感がほとんど皆無だ

教員紹介

左写真は、芸術文化コースの先生たち。このコースを担当するのは、美術教育・音楽教育、芸術学、美術史、そしてアートマネージメントの分野である。アートマネージメントを指導する方はどういう人かといえば、元学芸員の方ですね。

ホール建設が佳境だ!

岩見沢校では、相変わらず工事が続いている。
これは、玄関脇に建造中の音楽ホールと教育センターだ。やはり岩見沢市が資金を提供し,市と大学との共用施設になるそうだ。
これ以外にも、旧校舎を書道演習室に改造する工事も進んでいる。6月には竣工するということだが、結構どちらも大工事だ。

サーバーです

この写真では、いったい何か?分かりにくいでしょうが、右の黒っぽい棚がWEB用の専用サーバーです。
昨夏、学長が「コース全体として使用する備品で、有効に利用できるものを考えたら、一千万円出すゾ」と言った。
だから、「学内や地域情報をデータベース化して、ストリーミングでいつでもみられるWEB放送局や、デジタルワークショップが可能な設備はどうだ!」って、
私が軽い気持ちで言ったら、ナント予算を付けてくれたのだった。

どうやって使おうか?

立派なワークデスクやMACが並んだ。
さて
問題は、
これらをどうやって運用するかだ。
これから考えなくちゃならないのです。
うーむ…

研究室をもらいました

釧路校同様に岩見沢校にも旧課程の3・4年生がいる。その教育指導のために、まだ20名近い先生が残っている。彼らは来年・再来年の2年間で、次第に札幌校へと異動していくわけです。したがって彼らが残っている現状では研究室や演習室が不足しているのです。だから私の研究室や担当する学生演習室が与えられるのは、いつになるのか分からないと、これまでは言われてきたわけだ。
しかしながら今回、喜ばしいことに、研究室が予想外に早く割り当てられたのです。
部屋のサイズは4×9メータだから、だいぶ広い。釧路校のこれまでの研究室の倍の広さに感じられる。
しかし、今回私に配布された備品は140×70センチの両袖机とイス、そしてコートなどをしまう衣装ロッカーだけ。水場はもちろんついてます。上の図のように、奥を倉庫スペースとしたから、雑多な荷物が隠れてしまい、よって、手前側はまだほとんど何もなく、卓球ができそうなスペースが空いているのです。
「本棚とか、パソコンデスクなんかは無いの?」と、事務官の担当者に聞いたら、
「ファクトリーの端の部屋に不要備品のストックがあります。そこから使えるものを探してください。それから、6月末に大移動がありますから、その際にはいろいろ不要物品が出るでしょうから、その時に拾ってください
「 …!」
ようするに、配給はこれだけだ以後は自分で補充せよ、つまりサバイバルってことですナ。
まあ、良いでしょう。
私は、今回の異動にむけて、本類はすべて電動裁断機でカットして専用スキャナでPDF化を進めてきた。だから書籍は皆無で、今後は本棚は必要ない。
その他、絵画材料に関しても、今後の制作はデジタルベースで進めようと考えているので、油彩用具類もほとんど捨ててしまった。だから、授業で指導するに必要な最小限のサンプル的な用具類しか持っていない。
私が新たな研究室として描いているビジョンは、「何もない研究室」
なのです。

これまで約25年間研究生活してきたわけだけれど、しかしその間、ほとんど開きもせず本棚に並べ続けてきた書籍がどれ程あったことか。書籍を本棚に埋め尽くしておくことが、自らの知識を確認することであるかのごとく錯誤していたのだと思う。本棚の書籍を捨てるということは自分が裸になることのようであり、怖くてできなかった。しかし異動を機に意を決して、昨年から所有書籍のデジタル化を進めてきた。その結果、私の本のほとんどがハードディスクの中に収まってしまった。
「本は図書館に頼るべき」 今後は割り切って生活することにしたいと考えている。
ともかく、私のNEW研究室では書籍や書類は極力無くし、不要な物品は極力排除したいのです。

なんと、窓が無い!!

ところで、NEW研究室にはいくつかの問題がある。
最も大きな問題は,研究室には外部に開かれた窓が無いことだ。
だからそのかわり、外光をとりいれるため、天井には大胆にも天窓がくりぬいてある。左写真のように穴蔵のようで、これはちょっと不気味だ。
しかも、春先のこの時期というのに、熱気がたまってはやくも暑いのです。通常なら、暑ければ窓を開ければ外気で冷やされるのですが、この研究室の場合には、壁にある窓を開けると下の演習室の天井部に溜まった熱気が流れ込んでくるから、逆にいっそう暑くなってしまうのです。これはなかなかの問題だ。

クスリ橋からの眺め

4月15・16には釧路校の初授業に出向いた。
札幌から車で往復するのはきついから列車とホテルパックを使い、今回は全日空Hに泊った。
朝8時に歩いて大学へ向かった。釧路にいた頃は、ほとんど車で移動していたから、こんなふうに橋の上から眺めた街の景色が、今回とても新鮮だった。
写真では、一番左にMOOが見えるのだが、その右に上部が白い、見慣れないビルが見えるでしょう。これが、この4月に開業したばかりのVISTAホテルだ。
このホテルの名前は、昨年発売されたWindows VISTAと同じだからとてもわかりやすいですね。

2007.03.23
ホテル事業などを手掛ける株式会社共立メンテナンス(東京都千代田区、佐藤充孝社長)は、リゾートホテルの新ブランド『LA VISTA(ラビスタ)』の第1号施設として、『ラビスタ釧路川』を4月2日にグランドオープンすると発表した(プレオープンは3月12日)。
同ホテルの最大の特長は、最上階(13階)にある天然温泉の展望大浴場と露天風呂、また同フロアの湯上りラウンジから見下ろすウォーターフロントの眺望。例年9月上旬に開催される釧路大漁どんぱく花火大会の日には、釧路湾をバックに打ち上げられる花火を、目の前に眺めることができる。また、1Fの前庭には天然温泉足湯を設け、宿泊者以外でも利用可能なパブリックスペースとた。
また、建物には免震工法を採用。室内には「シモンズ社製ベッド」を全室に採用し、多彩な番組を好きな時間に楽しめるオンデマンド放送(有料)や、無料高速インターネット回線などを完備した
足湯がある

VISTAホテルは、建設前にしばらくの間、温泉掘削機がうなっていたから、アパホテルのように、温泉を売り物にしたシティHになるだろうと思っていた。
温泉の定義は、湯温ではなく成分によるものだ。地中を掘
れば、何らかの成分を持つ水がでるのだから、どこを掘っても自称温泉なわけだが、このホテルでは、おまけというのかPRというのか、ホテルの裏手に足湯が作ってあった。
朝から、おばさんたちが裾をまくって足を温めていたよ。

あわれパシフィック

釧路パシフィックホテルは、釧路市内で現存する最古のシティホテルだった。昨年12月に釧路地裁に民事再生法適用の手続きを申請し、大手企業と売却交渉をしていた。しかし、まとまらず1月末で営業を終えた。
パシフィックは時代の波に乗り遅れた経営をしてしまったのだろう。
今は入り口がベニヤで閉ざされ、外観の色も褪せ気味であわれを感じる。
ここ数年の間に、釧路市内では次々とホテル建設が進んでいる。夏には駅前にもNEWホテルが開業する。(釧路のホテル特集は次号で)

ラスト2年のアトリエの光景

久しぶりのアトリエだった。
「どうせ、汚れたママだろうに」とおもっていたのだが、なんと新学期恒例、春の大掃除が進行中だった。
学生が自主的に掃除するわけはないから、きっと佐々木先生の働きかけによるものに違いない。
ワックスがかけられ、乾燥中のアトリエだ。3・4年生30名弱がここで生活することになる。

NEWフェイスです

学生掲示板に2枚の張り紙が…
おお、今年も新入生が2名美術科にやってきたじゃないか!
そうすると、新たな課程の学生数は2年が2名いるから、1年が2名加わって4名に … ならないのです。
今年の2年生は、ナント2名とも、琉球大学との交換留学に応募して、沖縄へ行ってしまったのです。
この琉大との交流は、田丸先生が発案・締結したプランなんだが4年目を迎えることになるのかな。美術科からは、毎年参加者がでている。
しかも、このプランに応募して沖縄へ行ってくるような学生は、みなさんもともと意欲的な学生だ。
昨年美術に入ってきた2名の学生は、いろんな意味で<すごく良い>学生だとの評判だ。
彼らは、中学美術の免許がとれなくても、それでも良いからと志願してくる人たちだ。だから従来の学生たちとは一味ちがったモチベーションを持った人たちであろう。
きっと今年の二人の新入生も、何らかの美術マグマを溜込んでいる人に違いない。3・4年生の人たちは、そのつもりでよーく面倒みてあげてくださいネ。

北大図書館

札幌で生活しはじめて、はや一ヶ月。
毎日の最高気温が15度を超える日も多くなり、桜のつぼみもだいぶふくらんできた。北大校内では、芝生で昼寝している人も見受けられる。
写真左手の建物は、北大の中央図書館だ。
先日、「大学職員用利用証」を発行してもらった。
一般市民用利用証だと、開架式図書は利用できても、閉架式書庫には入れない。しかし、大学職員として作られた利用証があると、北大の教員と同様に入庫が可能だ。
釧路校同様、この図書館の開館時間も、夜10時までだ(土日は7時)。閲覧室も広くて収容数に余裕があるし、一人分のスペースもゆったりしている。ここなら落ち着いて調べ物ができそうだ。
これまで阿寒に居たとき、自宅の私の仕事場は30畳プラス10畳だった(広すぎて掃除機をかけるのが大変だったが)。
しかし、札幌のマンションでは6畳弱になった。そこにベットとデスクがあるわけだから、書籍も画材もほとんど入るわけはない。だから、自宅での私のあたらしい生活は、すべての機能を極力制約するしかなかった。
書籍はデジタル化しハードディスクに納めてしまう。自宅には一切の本を置かずに極力図書館を使うことにした。
自宅のデスク上では、ほとんどPCで処理できる仕事に限定して行い、制作のためのプリント作業は岩見沢の研究室でおこなうことにした。

北大図書館も紀伊国屋も、自宅マンションから歩いて15分のところにある。今後は、都市に居ることを活用し、北大図書館を書斎代わりにし、新刊本は紀伊国屋で立ち読みしようと思っている。
内心では、ホントニ大丈夫なのか?という疑問もなくはなかったのだが…いまのところは、これでなんとかやっていけそうな気がしています。

              おわり

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